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開催中の展覧会Current Exhibition

当館のコレクションを代表する国宝「雪松図屏風」を中心に、吉祥主題、すなわち長寿や子孫繁栄、富貴といった人々の願いを託されたモチーフが、どのように書画工芸へ取り入れられたのか、様々なジャンルの館蔵品をもとに通覧します。また新年らしく、寿老人や大黒天などの七福神をはじめとする、福の神にまつわる三井家ゆかりの品々もあわせて展示します。

出品目録

※本展は予約なしでご入館いただけます。

展覧会の趣旨

江戸時代中期を代表する画家、円山応挙(1733–95)は、対象の写生をもとに「描かれたモチーフがその場に存在するかのような絵画」という新境地をもたらし、当時の京都を席捲するほどの人気を得ました。当館が所蔵する国宝の「雪松(ゆきまつ)図屏風」は、応挙における写生の到達点とも言え、それゆえに「いかにリアルに描かれているか」といった迫真性や、奥行きを意識した構図など、空間構築性といった文脈で語られる機会が多い作品です。しかし、「雪松図屏風」が実生活において用いられる際、何よりも期待されたのは「おめでたい絵画」としての役割ではないでしょうか。「松」という主題の持つ永遠不変、長命といったイメージや、きらびやかな金泥や金砂子(すなご)が演出する祝祭的な気分もまた、本作品を語るうえで欠くべからざる要素と言えます。
本展覧会では「雪松図屏風」を、お正月らしい鶴や七福神といった、縁起のよい主題の館蔵品とあわせて展示することで、「おめでたい絵画」としての一側面に光を当てます。また猫や瓜、牡丹など、あまり現代人には「おめでたい」イメージのないモチーフに関しても、かつてそれらが担っていた吉祥イメージを解き明かし、なぜおめでたいと見做(みな)されたかについて紹介いたします。何かと心の落ち着かない世情ではございますが、縁起物の描かれた作品の数々から少しでも、明日への活力を得ていただければ幸いです。

展示構成と主な出品作品

第1章富貴の華

唐の皇帝・玄宗(げんそう)と楊貴妃が愛した逸話が示すように、牡丹は「百花の王」として中国の貴族たちに好まれた花でした。そうした伝統が日本にも輸入され、ある時は調度品や染織の文様として、またある時は絵画の主題として、多様な姿で表現されています。本テーマでは、調度品や茶道具を中心に、人々の生活空間を華麗に彩った、牡丹の世界をお楽しみいただきます。

第2章長寿と多子

医療が未発達な近代以前においては、長寿を保つことや、子宝に恵まれることへの祈りが、現代以上に切実なものだったことは想像に難くありません。また、自身やその子孫の立身出世もまた、当時の人々にとっては一家の存亡にかかわる、大切な願いと言えるでしょう。本テーマでは、絵画・調度品にみられる様々な動植物の表現を通じて、そこに込められた願いについて探ります。

  • 作品画像作品画像
    国宝 雪松図屏風 円山応挙筆
    江戸時代・18世紀図4
    本図の制作経緯を示す史料は未だ見つかっていないが、長生と永遠の象徴たる松が大きく描かれ、金泥できらびやかに彩られた画面からは、三井家のハレの日の中でもとりわけ特別な日に用いられたことが想像される。実際に明治20年(1887)には、明治天皇への献茶席にて使用された。
第3章瑞鳥(ずいちよう)のすがた

長寿の象徴として親しまれる鶴や、めでたいことの起こる前に姿を現すという鳳凰など、古来、おめでたいイメージが託された鳥は実在・非実在にかかわらず多くを数えることができます。また日本においては、和歌から「妻恋鳥(つまごいどり)」、すなわち夫婦円満の縁起物としてのイメージが付されたキジや、ミミズクをかたどった疫病除けの玩具「みみずく達磨」など、中国の「吉祥」概念とは異なる道筋で、縁起の良さを見出された鳥たちもままみられます。身近な鳥から幻の鳥まで、幅広い「縁起物の鳥」の世界をご覧ください。

  • 作品画像
    百鳥図額 国井応文(くにいおうぶん)
    江戸〜明治時代・19世紀図10
    燕、雀、文鳥、メジロ、セキレイなど50羽超の鳥たちが、横長の画面で列をなして飛ぶ。中心に大きく描かれた尾の長い鳥は、寿帯鳥(じゅたいちょう)と呼ばれ、サンコウチョウの一種がモデルとされる。長寿の寓意が込められており、東洋の花鳥画において伝統的な、縁起の良いモチーフの一つ。
第4章福神来臨

現代においてもお正月のテレビCMや年賀状などで親しまれる「七福神」ですが、中でも商売繁盛に結び付く大黒天・恵比寿の二神は、商家である三井家にとって特に重視されていました。同家の人々が収集した絵画や、江戸時代の当主が自ら描いた作品などを通じて、愛好と信仰の一側面を紹介します。また、これらの七福神に加え、館蔵の能面から福徳神にまつわる作品もあわせて展示いたします。

会期
2022/12/1(木)〜2023/1/28(土)
開館時間
10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日
月曜日(但し1/9は開館)、年末年始12/26(月)〜1/3(火)、1/10(火)
主催
三井記念美術館
入館料
一般 1,000(800)円
大学・高校生 500(400)円
中学生以下 無料
  • ※70歳以上の方は800円(要証明)。
  • ※リピーター割引:会期中一般券、学生券の半券のご提示で、2回目以降は( )内割引料金となります。
  • ※障害者手帳をご呈示いただいた方、およびその介護者1名は無料です(ミライロIDも可)。
入館
予約なしで入館できますが、1階入口で消毒と検温をお願いします。
37.5度以上の熱がある方は入館をご遠慮いただきます。入館にはマスクをご着用願います。また、展示室内の混雑を避けるため入場制限を行う場合があります。

ご来館のお客様へのお願い

お問い合わせ先
050-5541-8600(ハローダイヤル)
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